ベルの苦悩
ベルの時期がやってきましたね。
日本中で『ベル』の話をしても許される時期なので、ちょっと失礼しますね。
ジングルベ〜ル♫ジングルベ〜ル♫
♫きゅうまいや〜く♫
押し順守って払い出し♫ HEY!!
リプレイベル♫リプレイベル♫
♫ふざけんな〜♫
あんときゃあさすがに、1枚も客には出さねえぞって強い意志を感じて震えたぞっ♫
HEY!!
ベルは愛らしい。
パチスロ台で小役といえばベルだ。
まれに姿を変えたとしても、常に小役の代表として『ベル』の愛称でみんなに呼ばれるのが、いつからか当たり前になっていた。
ベルこそ人間味に溢れ、悲哀に満ちた激動の小役である。
パチスロ5号機全盛のある日、ベル君は高純増AT機を支える社命を背負うことになる。自身の存在価値が変わる程の転勤辞令を受けたのだ。
「こないだ3枚とか1枚になったと思ったら、今度はリプレイの扱いかよ……最初はそう思いましたね。けど仕方ないっす。実は後輩のゼロボーナス君が延々と詐欺みたいな仕事をしている姿を見て、自分もこの業界で長いんで、ちょっと前から何かあるかなぁとは思ってましたし。今やBIGさん・REGさんよりゼロボ君が会社を回すことも多いじゃないですか。俺の立場も一応は上がったし、ゼロボ君を陰から支えてやれって話ですよね」
どんなに社会が、規制が変わっても
ベル君はパチスロの中間管理職である。
常にBIGさん・REGさんという主役に対して忠誠を誓い、彼らのファンファーレを伴う仰々しい仕事を確認し、若手の頃から現場で必死に汗をかき、何度も何度も連続で揃っていた時代はいったん終わりを告げてしまったのだ。
ベル君も会社の変化を敏感に感じていた。どこかで見かけたATさん・ARTさん……それこそシルバー人材センターで見つけてきた取締役や部長経験者の再雇用を決めた会社に、全体のパワーダウンを感じた事も確かである。しかし、大先輩方も巻き込んだ会社改革の一環として、自分が必死に指示に従う事でついにパチスロの主役を担う時代が来た、長年勤めてきた小役部の部長補佐くらいの役職にはなったかな、そう思えば報われた気も少しはするのだった。
しかし現場に目を向けると
ベル君の労働環境は、過酷そのものだった。
「……ちょっとちょっと!叩かないでくださいよ!!……出玉が増えるのが遅い?ははっ……すいません。これでも必死にレフトライトセンター!レフトライトセンター!スタイリィィィィッシュ!!あーすいません、頑張って18枚増やしました。はいそうです50ゲーム間のヒキが悪かったんで、お客さんの分はこれで終わりです。苦情ですか?一応、話は自分が聞きますけど……会社はこれで必死なんです。必死に作ったものに文句言わないで欲しいんですけど!もう限界なんです!!」
今日もベル君は、会社からの指示に従い必死に働く。時代の荒波にもまれてきたベル君の仕事に、僕たち日本人は特別な思いを馳せずにはいられない。
はー、くだらね。
おしまい
ベル君の「メーカーの文句言うな!」って話もまぁまぁわかるんだけどさ、メーカーの努力って一般ユーザーからしたら、マジで何にも関係ない話だからね。声デカく「コレとコレは凄い機能だ!」って言っても、面白さが伝わらない時点でちょっと違うんだよなぁ。そもそもアニメ版権うれしいな、の層がお客さんなんだから、そこをDEAD or ALIVE(50G or 1000G)みたいなギャンブル性で熱くする方がユーザー向けの努力だと僕は思うけど。
みんな新台をクソだって評価しにパチ屋に行ってんじゃないよ。
ギャンブルしに行ってんだよ。
ちわわ